池波正太郎作品紹介





池波正太郎

(1923-1990)東京・浅草生まれ。昭和30年東京都職員を退職し、作家生活に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表35年第43回直木賞を「錯乱」で受賞。52年第11回吉川英字文学賞を「鬼平犯科帳」で受賞。63年第36回菊池寛賞受賞。平成2年5月3日死去。大正12(1923)年、東京生まれ。昭和30年東京都職員を退職し、作家生活に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表35年第43回直木賞を「錯乱」で受賞。52年第11回吉川英字文学賞を「鬼平犯科帳」で受賞。63年第36回菊池寛賞受賞。平成2年5月3日死去。

<三大作品>
鬼平犯科帳

全24巻+乳房

徳川170年の江戸時代、人があふれて悪もあふれる。職にあぶれた刀を持つ浪人、技を持ってして鬼平に挑む盗賊たち。この頃徳川幕府は火付盗賊改方という特別警察を設けていた。兇悪な賊の群れを容赦なく取り締まる為に。天明7年火盗就任となったのは長谷川平蔵。この後8年の最長火盗長官として賊の群れに立ち向かっていく、長谷川平蔵を筆頭に悪と善との人情あり、笑いありの政治、犯罪と、只の刑事ドラマではないあらゆる角度からの人間ドラマを平蔵を通して池波正太郎が見せていく長編。 文春文庫

文藝春秋

剣客商売全16巻

(ないしょないしょ、黒白上下、包丁ごよみ)

秋山小兵衛秋山大治郎の親子が剣に命を掛けて江戸の悪事を斬る。秋山小兵衛は既に道場を閉め、一人息子の大治郎も独り立ちしたことから、40才も若いおはるを後添えにして悠々自適の隠居生活。 新潮文庫
仕掛人藤枝梅安

全7冊

(殺しの四人、梅安蟻地獄、梅安最合傘、藤枝針供養、梅安乱れ雲、梅安影法師、梅安冬時雨)

この世に生きていては毒になる奴を消す。それが殺しの定法だ。ハリの名医が表看板だが、極悪人の殺しを請負って、闇から闇へと葬る非情な裏稼業。吹矢の名手彦次郎を相棒に、仕掛人・藤枝梅安必殺の殺し針が急所に突きささる。梅安・彦次郎コンビの人間味を追究しつつ、闇の活躍を痛快に描いた短編連作。 講談社文庫
<歴史もの実在の人物偏>
―戦国時代―
真田太平記

全12巻

あっという間に全12巻読破してしまうとの声が高い池波正太郎大作の歴史小説。戦国時代武田の将として真田家は数々の軍略を繰り出す。武田家滅亡後、真田家を継いだのは只一人生き残った末弟の真田昌幸。沼田の地で彼は真田家を立て真田の血を色濃く受け継ぐ信幸、信繁(幸村)とともに戦国武将として立ち上がる。戦国、秀吉、家康と、時代はめぐり、戦略、別れ、絆、と真田家独自の運命を辿り、真田家の生き様を描いた力作。 新潮文庫
獅 子 真田太平記の長男、真田の血を受け継ぎ父(昌幸)と弟(幸村)と袂を分かち徳川幕府に身を委ねた真田信幸の生涯。90歳を超えた“信濃の獅子”真田信之の、最後の戦い 中公文庫
真田騒動-恩田木工 信州松代藩──五代目・真田信安のもと、政治の実権を握り放縦な生活に走った原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改革に尽力した恩田木工を描く表題作。関ヶ原の戦い以来、父昌幸、弟幸村と敵対する宿命を担った真田信幸の生き方を探る『信濃大名記』。ほかに直木賞受賞作『錯乱』など、大河小説『真田太平記』の先駆を成し、著者の小説世界の本質を示す”真田もの”5編を収録。 新潮文庫
男の紋章 お家断絶の徳川家猛将滝川一益の血を受け継ぐ滝川三九郎の清く生きた生涯を描く。 新潮文庫
英雄にっぽん 時は戦国。群雄割拠、天下に覇を競い下克上の世相の中に、ひときわ異彩を放つ美丈夫・山中鹿之介。主家の尼子家が、毛利の来攻に敗れた後も、一途に主家復興をはかって苦心惨憺、決してあきらめることなく果敢に戦いを挑む。数ある英雄豪傑の中で、その清廉をうたわれ、忠義の士とたたえられた悲劇の武将の、虚像と実像を描きわけた一大戦国絵巻。 集英社/角川文庫
戦国幻想曲 槍の勘兵衛こと渡辺勘兵衛の波乱の一生を描く。 新潮文庫
蝶の戦記上下 織田信長、浅井長政らの屋敷に身分を偽って仕え、機をうかがう於蝶。六年前には少女めいて硬く引きしまっていた肉体は、いまや成熟しつくしている。(上杉謙信公のために……)姉川の合戦。爽快な読後感がのこる名作。於蝶を通して上杉謙信にまつわる時代を見れる。 文藝春秋
忍者丹羽大介 「蝶の戦記」と「火の国の城」の間にある作品で、時代は秀吉没後から関ケ原の終わりまでを忍者・丹羽大介を中心と描いていく。関ケ原の合戦で徳川方が勝利し時代の波の中で失われていく忍者の世界の信義・・・一匹狼となり暗躍する丹羽大介の淒絶な死闘を描く。池波正太郎の生み出した「蝶の戦記」、「火の国の城」などの忍びたちも登場して面白い。池波氏は戦国時代に忍びたちを絡ませるのが巧みで、忍びという主役とは別の観点で歴史を捉えるのがまた冷静で面白く、より人間くさいのである。 新潮文庫
火の国の城上下 天下分け目の関ヶ原から五年。世情が落ち着きはじめた京の町にふらりと現われた偉丈夫。男はすぐれた技をもち、豪傑と熱情を秘めた伊那忍び、丹波大介であった。すでに陰の世界から足を洗い、農村でおだやかに妻と暮らすはずであったが、彼の腕を知る者によって武家の覇権争いに巻き込まれていく。天下統一への執念を燃やしつづける徳川家康と、復活を夢想する豊臣家とをめぐり、「忍び」というあらたな諜報戦が歴史の陰で繰り広げられる。いずれも個性的な超人たちの物語。於蝶ら名忍びたちの活躍を描いた忍者小説 文藝春秋
忍びの風全3巻 姉川合戦から本能寺の変の戦国の世を背景に「蝶の戦記」の於蝶と半次郎の二人が絡み合う烈しく生きる忍者たちを描く。 文春文庫
夜の戦士上下 甲賀・山中忍び”丸子笹之助”を通して、武田信玄にまつわる時代を描く。塚原卜伝にまで弟子入りし、武田方に潜入し、信玄暗殺をならう笹之助だが・・・川中島合戦から信玄死後までの武田家を描いた長編。 角川文庫
忍びの旗 亡父の敵の娘を愛してしまった甲賀忍者の上田源五郎の流転の生涯。主に豊臣秀吉による小田原征伐(北条討伐)を描く。 新潮文庫
忍びの女上下 甲賀・伴忍び ”小たま”の活躍。豊臣秀吉死後、豊臣恩顧の大名・福島正則を通して家康亡き後までが描かれる。他に奥村弥五兵衛、岩根小五郎が登場。 講談社
炎の武士 短編集4話。長篠の合戦で知られる戦国武将・鳥居強右衛門、新撰組副長・土方歳三、間宮林蔵、新撰組隊長・原田佐之助。  
剣の天地 剣聖とあおがれた新陰流の祖・上泉伊勢守の半生。新陰流の創始者で、上州の一城の主。 新潮文庫
西郷隆盛 幕末の薩摩藩を代表する人物である西郷吉之助。彼の生涯を描きつつ、激動の維新史でもある。西郷隆盛とはどのような人物だったかを知る上には是非にも読みたい一冊。 角川文庫
賊将 もはや将軍一個の力でおさえることができないほど強大になった守護大名の力、足利義政は迫り来る戦乱の予感になんら力を発揮できず憂悶した。西郷隆盛一筋に生きた「人斬り半次郎」こと桐野利秋は、フランス香水をその身にふりかけ、突撃してくる官軍の中へ斬り込んだ。火付盗賊改の猛士・徳山五兵衛は、持て余した欲望のはけ口を夜毎描く秘図に求めた。抗しえないものと直面する武人たち、その貌が著者独自の人間解釈の妙によって浮き彫りになる。直木賞受賞直面の力作6篇をおさめた珠玉短編集。 新潮文庫
―忠臣蔵―
おれの足音上下 忠臣蔵で知られる大石内蔵助の青年時代からの人間的側面を描く。 文春文庫
堀部安兵衛上下 忠臣蔵 新潮文庫
編笠十兵衛 忠臣蔵外伝 新潮文庫
―新撰組―
人斬り半次郎

幕末編・賊将編

幕末、人斬り半次郎として新撰組などからも恐れられた中村半次郎(維新後の桐野利秋)。彼の少年時代からの一生を描く。 新潮文庫/角川文庫
狼よ落日を斬れ 新撰組  
近藤勇白書 一介の道場主から新撰組局長となって勤王方を震撼させながら、幕府への義を貫き通した近藤勇。遂には朝敵として処刑された。侍として生きたいと誰よりも義を重んじた近藤勇の生涯。 講談社
幕末遊撃隊 心形刀流、伊庭道場の後継ぎ伊庭八郎は不治の病に冒されたことを知り、残された時を剣ひとすじに生きる決意を固めた。時は幕末、江戸っ子侍気質そのまま、同士をつのって遊撃隊を組織し怒濤の進撃を続ける官軍に挑む。鳥羽伏見、小田原、函館五稜郭、短くも壮烈に生涯を送った男の意気地を雄渾に描く幕末秘伝。 集英社
幕末新選組 新選組隊士・永倉新八の爽快な人生を描く。 文春文庫
<江戸時代物語>
雲霧仁左衛門前後 池波ファンにも人気の作品。進出鬼没、変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八大将軍・吉宗の時代、狙いをつけた金蔵目指して、西へ東へ盗賊一味の影が走る。 新潮文庫
秘密 (おかしい。いつもとはちがうような……)居間へあがったとたんに、宗春は感じた。独り暮しの、棲み慣れた家だから、どのように些細な変化、異常があっても、するどい宗春の勘のはたらきは、それを見逃すはずがない──。はずみで家老の子息を斬殺してしまった宗春は、名を変え、身分を変えて江戸へ逃れたが、しだいに討手はせまる。一方で、身を隠す暮しのうちに、宗春は人の情けと心意気を知った……。円熟の筆で描く傑作長編時代小説。 文藝春秋
さむらい劇場 八代将軍吉宗の頃、旗本の三男として生まれながら、妾腹の子ゆえに父親にも疎まれて育った榎平八郎。意地と度胸で一人前に成長していく姿。 新潮文庫
男の秘図上中下 妾腹の子として生まれ、父親に疎まれながら育つ徳山権十郎。一時は江戸を出奔し、様々な人の好意を受け京都に過ごすが、後に江戸に戻り家督する。家督したあともいろいろと思い悩むが、隠密のお役をたまわりこれで波瀾の人生も終わるかと思いきや、まだまだこれからが権十郎の後半生が始まるのであった。 新潮文庫
秘伝の声上下 前出「さむらい劇場」に遡る物語 新潮文庫
闇の狩人上下 記憶喪失の若侍が、仕掛人となって江戸の闇夜に暗躍する。魑魅魍魎飛び交う江戸暗黒街に名もない人々の生きざまを描く時代長編。 新潮文庫
侠 客 町奴・幡隋院長兵衛と旗本奴・水野十郎左衛門との深く悲しい友情とその立場ゆえ逃れられぬ対決を描く。 新潮文庫
スパイ武士道 徳川幕府が開府と同時に、全国諸藩の動静を探るため潜入させた隠密群があった。筒井藩士・弓虎之助もその一人。その彼に藩の遺金八万両の隠し場所の探索という密命が下った。彼を隠密と知らず抜擢する藩の重役、非情な掟を強いる”声”。両者の間にたって苦悩する隠し隠密の生きざまを描く異色時代小説。 集英社
その男全3巻 幕末明治、数奇な運命をたどった直参「杉虎之助」。中村半次郎、伊庭八郎との交流があり、西郷とともに西南戦争も体験する。著者の筆は「その男」と「その時代」を情感豊かに浮かび上がらせる。 文春文庫
旅 路上下 仇討ちもの。仇をうつのは、子でもなく配下でもない、女房。結婚まもなく殺された夫の仇を討つために江戸へ向かう三千代を描いた長編。 文春文庫
男振 主君の嗣子に奇病を侮辱された源太郎は乱暴を働くが、別人の小太郎として生きることを許される。数奇な運命をユーモラスに描く。 新潮文庫
秘 密 同僚を斬った主人公に討手が迫る。だが、身を隠す生活の中で人の情けと心意気を知った。円熟の筆で描く至高の時代小説 文芸春秋
男の系譜 池波正太郎の語りおろし。戦国から幕末までを代表する男15人の話。 新潮文庫
まんぞくまんぞく 女剣士の物語 新潮文庫
信濃大名記 「直木賞第一次選考では一席。二転、三転して、決選で受賞から外された宿命の著者の野心的時代長編小説」 (帯文) 光書房
夢の階段 微禄の若者小森又十郎は、辛夷(こぶし)の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断わり、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった…。藩の主席家老の娘多津代の再婚話を、身分不相応との理由で断った小森又十郎と、その多津代を嫁にした木内政之助。その後の二人が歩む『夢の階段』を対照的に描く長編。 新潮文庫
―短篇―
忍者群像(戦国) 忍者小説七篇。数々の忍びを描いてきた池波氏の力作。 文春文庫
その男全三冊 主人公、杉虎之助は微禄ながら旗本の嫡男。十三歳で、大川に身を投げ、助けられた時が波瀾の人生の幕開けだった。幕末から明治へ、維新史の断面をみごとに剔る長篇。 文春文庫
旅路上下 夫を殺した近藤虎次郎を"討つ"べく、彦根を出奔した三千代。封建の世に、武家社会の掟を犯してまでも夫の仇討に執念を燃やす十九歳の若妻の女の"さが"を描く時代長篇。 文春文庫
夜明けの星 敵を探す男は飢えて煙管師を斬殺し、闇の世界の仕掛人の道を歩む。一方、父を殺された娘は幸せな一生を送る。夢魔のような一瞬が決めた運命の回り合わせをしみじみと描く。 文春文庫
雲ながれゆく 行きずりの浪人に手ごめにされた商家の若後家・お歌。それは女の運命を大きく狂わせた。ところが、女心のふしぎさで、二人の仲は敵討ちの助太刀にまで発展する。 文春文庫
剣客群像 女武芸者の佐々木留伊が、夜の町に出没して<辻投げ>をおこなうのも、つまるところは、男を漁り男を得、子を生み妻となり母となりたいがためのことなのである──という書き出しで始まる「妙音記」は、美しく強い女の人生の転機をユーモラスに描いている。ほかに試合で負けたものは勝者の弟子になるという、奇怪な申し出で闊歩する男たちを描いた「秘伝」など、小気味よい江戸の日常を背景に、エロスに根ざす人間の欲望を個性ゆたかな剣客の姿を機智をもってとらえた七篇。 文藝春秋
仇討群像 仇討ちを単なる復讐劇だけではなく、武士の慣わしとして語る。突発的事件にまきこまれた人間たちののっぴきならぬ生きざま。討つ者と討たれる者両者の人生を描く。 文春文庫
谷中・首ふり坂 11話からなる短篇集。 新潮文庫
おせん 13話短篇集。 新潮文庫
あばれ狼 7話の短篇集。 新潮文庫
江戸の暗黒街 8話短篇集。 新潮文庫
にっぽん怪盗伝 12話短篇集。鬼平のTV版にもこの中の話しがいくつか登場する、ユニークな怪盗話し。大江戸の夜のしじまを破る呼笛(よぶこ)に追われ、闇から闇を、風のように駆け抜ける男たちの蒼ざめた顔……。江戸爛熟期の市井の風物と社会の中に、色と欲につかれた盗賊たちの数奇な、転落の運命を、スリル溢れる、巧みなドラマ展開のうちに描いて、人の世の哀しさをにじませた傑作小説集。 角川文庫
仇討ち 8話短篇集。 角川文庫
あほうがらす 11話短篇集。 新潮文庫
卜伝最後の旅 6話短篇集。 角川文庫
闇は知っている 若かりし頃、ひとつの過ちから人生が思わぬほうに向かい始めた僧の話。五名の清衛門、白金の徳蔵等おなじみの香具師の元締めも出てくる。 新潮文庫
まんぞく  まんぞく 深夜、覆面をして、酒に酔った侍に喧嘩をしかけては、髷を切ったり川に投げ込んだりして楽しんでいる男装の女剣士。それは、十六歳の時、浪人者に犯されそうになり、家来を殺された堀真琴の、九年後の姿であった。真琴は、敵討ちを心に誓って剣術の稽古に励んだ結果、剣を使うことが面白くて仕方なくなったのだが…。女剣士の成長の様を、絶妙の筋立てで描く長編時代小説。 新潮文庫
黒幕 「数奇な出生と隠密との連繋により家康の黒幕として暗躍した山口駿河守の得意な生涯」(帯文)短篇全7篇収録 新潮文庫
原っぱ 「東京なんて、もう無いも同然だよ・・・・滅びゆく東京の街に送る<惜別の辞>」(帯文) 新潮文庫
-エッセイ-
日曜日の万年筆   新潮文庫
戦国と幕末   角川文庫
ドンレミイの雨   新潮文庫
味と映画の歳時記   新潮文庫
池波正太郎の銀座日記(全)   新潮文庫
池波正太郎の春夏秋冬   文春文庫
映画を見ると得をする   新潮文庫
江戸切絵図散歩   新潮文庫
男の作法   新潮文庫
男のリズム   角川文庫
散歩のとき何か食べたくなって   新潮文庫
食卓の情景   新潮文庫
フランス映画旅行   新潮文庫
むかしの味   新潮文庫
新 私の歳月   講談社文庫
私の歳月   講談社文庫
夜明けのブランデー   文春文庫
ル・パスタン Le passe-temps   文春文庫
よい匂いのする一夜   講談社文庫


池波正太郎と言えば・・・忍者。忍びの者が出てくる書に

 



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